ビジネス分野においては、複雑な情報や概念を効果的に伝えるツールとして、様々な図表が活用されています。戦略立案からプロセス改善、データ分析まで、幅広い場面で重要な役割を果たしています。またビジネスの実行に欠かせないITの活用、ソフトウェア開発でも図表は欠かせません。
本記事ではグローバルに利用されている主要な図表を解説し、図表の全体像を俯瞰します。適切な図表を活用することはビジネスコミュニケーションの質を高め、意思決定の精度を向上させることができます。
※図表のラインナップは随時更新中(現在50種)
図表カテゴリーについて
本記事(および本ブログ「フクロウの図表ラボ」内)において、図表を以下のようにカテゴライズしています。

ビジネス図表
ビジネス戦略の策定から顧客理解や分析を行い、意思決定を促すコミュニケーション手段としての図表が「ビジネス図表」です。
戦略・ビジネスモデル関連の図表は、社内および外部の環境分析や成長戦略の可視化に役立ちますし、顧客理解の図表は、ユーザー体験や価値提案の設計に不可欠です。プレゼンテーション用の図表は、複雑な情報や関係性を直感的に伝えるのに効果的で、取りうる選択肢の比較、プロセスの説明、優先順位付けなどに活用されます。
戦略・ビジネスモデル
- SWOT分析
- ポーターの5フォース分析
- 成長 / シェアマトリックス(BCGマトリックス)
- アンゾフの成長マトリックス
- バランススコアカード(戦略マップ)
- ビジネスモデルキャンバス
顧客理解
- カスタマージャーニーマップ
- エンパシーマップ
- 4P図(マーケティングミックス)
- バリュープロポジションキャンバス
プレゼンテーション
- マトリックス図
- トライアングル図
- サイクル図
- 4象限図
- ベン図
- 散布図
- 競合比較表
- デシジョンツリー
- ミラミッド図
- ファネル図
- リボン図(リボンモデル)
- サンキー図
- レーダーチャート(スパイダーチャート)
- バブルチャート
- マインドマップ
- ツリーマップ
プロセス図表
業務の流れやプロセスを視覚化し、問題解決や効率化に役立つのはもちろんのこと、IT戦略策定にも有効な図表が「プロセス図表」です。
身近なフローチャートでのプロセス可視化以外にも、バリューチェーン分析のような価値創造プロセスを全体的に把握できる図もあります。プロセス間やシステム内の相互作用を理解することで、業務改善活動をサポートできる図表群です。
プロセス・オペレーション設計
- フローチャート
- プロセスマップ
- フィッシュボーンチャート(特性要因図)
- バリューチェーン分析(図)
- PERT図
- 因果ループ図
開発図表
プロダクト(製品)が生み出される最初の一歩から、できあがるまでのソフトウェア開発全体をサポートするための図表が「開発図表」です。
ユーザーストーリーマップやプロダクトロードマップは長期的な視点を提供し、カンバンボードやバーンダウンチャートは日々の進捗を可視化します。ソフトウェア設計の各図表は、システムの構造、振る舞い、データの流れ、および相互作用を視覚化し開発者間のコミュニケーションを促進します。
プロジェクト・製品管理
- ユーザーストーリーマップ
- プロダクトロードマップ
- プロダクトライフサイクル図
- プロダクトバックログ
- カンバンボード
- ガントチャート
- バーンダウンチャート
- WBS(作業分解構成図)
ソフトウェア設計
- ユースケース図
- アクティビティ図
- ステートマシン図
- シーケンス図
- ER図(エンティティリレーション図)
- DFD(データフロー図)
- クラス図
- コンポーネント図
- コンテクスト図(システム境界図)
- アーキテクチャ図(インフラ構成図)
まとめ
本記事で紹介した50の図表は、ビジネスやソフトウェア開発の様々な側面を可視化し、相互理解を深めるための強力なツールです。加えて、図表としてアウトプットする過程で情報が整理され、洞察が深まるという作成者自身にとって大きなメリットもあります。これらの図表を適切に選択・利用してコミュニケーションを洗練させ、ビジネスを加速させる起爆剤にしましょう。


